• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

9・10世紀の東フランク・"ドイツ"王国における政治構造とエトノス生成

研究課題

研究課題/領域番号 18520573
研究機関東海大学

研究代表者

三佐川 亮宏  東海大学, 文学部, 教授 (20239213)

キーワード東フランク王国 / ドイツ王国 / エトノス生成 / 起源説話 / ゲルマン人 / フランク人
研究概要

4年間の研究期間においては、次の4点に重点を置いてきた。(1)関連史料箇所の調査・収集。(2)特に重要と目される史料箇所についての詳細な検討。(3)史料解釈上の方法論の確立。(4)19世紀以降のドイツ中世史学史研究の整理。
最終年度である平成21年度は、(1)の研究文献の調査・収集を引き続き継続する一方、重点を(2)~(4)全体に置き、これまでの成果を論文として執筆することに傾注した。具体的には、「ドイツ史の始まり」をめぐる議論の中に、本研究の課題を位置付け、9世紀半ばから12世紀中葉までの3世紀余の間の東フランク=ドイツ王国におけるエトノス生成を主要な論点、すなわち「ローマ帝国理念とその統合作用」、「民族と部族」、「新部族大公領と王国の分国構造」、「民族の起源説話」、「特殊中世的なドイツ人のアイデンティティ」等に即して考察・執筆した。研究を通じて、"ドイツ人"が、4つの諸民族(フランク人、ザクセン人、バイエルン人、シュヴァーベン人)の政治的結集に伴う二次的集団というエトノス生成の産物であり、その統合の絆として作用したのが、キリスト教の救済史上の「ローマ皇帝権」という普遍的原理であることが明らかにされた。なお、この成果は、他の主題に関する既発表論文と併せて博士論文としてまとめた。『ドイツ史の始まり-中世ローマ帝国とドイツ人のエトノス生成』(全15章、原稿用紙換算約1500枚)。平成22年4月に北海道大学大学院文学研究科に提出しており、将来は、著書として公刊することを予定している。

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi