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2008 年度 実績報告書

京都における伝統工芸の成立と発展、近現代窯業の考古学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520594
研究機関立命館大学

研究代表者

木立 雅朗  立命館大学, 文学部, 教授 (40278487)

研究分担者 田中 聡  立命館大学, 文学部, 講師 (10368011)
キーワード民俗考古学 / 実験考古学 / 近現代考古学 / 伝統工芸 / 京焼 / 京式登り窯 / 金炭窯 / 理化学陶磁器
研究概要

研究の目的は、近現代考古学の基礎的方法論を錬磨するため、京焼やそれに関連した複数の伝統工芸群を総合的に検討することである。これによって考古学的視野を大きく広げ、歴史研究としての考古学や近現代史の枠組みを再検討することも視野に入れた。
研究計画に基づき、京都市五条坂に所在する道仙化学製陶所窯跡の発掘調査を行い、京式登り窯の構造を発掘調査によって明らかにした。この窯は理化学陶磁器を焼成していた窯であるが、他の京焼窯と全く同じ構造で焼成していたことや、貸し窯によって京焼も同時に焼成されていたことを明らかにした。また、同じく五条坂に所在する藤平陶芸、浅見五郎助の京式登り窯の略測を行い、その比較資料を得た。五条坂には京焼に関わる多くの職人が居住しているが、京焼関係者や桐箱製造業者、理化学陶磁器の販売業者などに聞き取り調査を行い、当時の状況を復原した。本発掘調査は、京焼研究にとって、初めての窯跡の発掘調査であり、昭和37年に廃窯した現代遺跡の発掘調査という意味でも極めて貴重な調査であった。この成果を生かすべく、民俗考古学的検討や文献資料調査を加味したことが大きな特徴である。また、京都市内の各地で出土しはじめた「内窯」(金炭窯)の復原と焼成実験や匣鉢の製作実験も行い、考古学的成果を助けた。発掘調査・聞き取り調査(民俗調査)・実験・文献調査を併用したことは、従来の京焼研究では不十分であった点を補うものである。近現代考古学にとっては、こうした視点は欠かせないものであり、京都の伝統工芸を題材にしたことによって、より多くの資料に接し、近現代考古学の重要性を示すことができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 考古学から見た土人形の出現と展開-偶像・明器・形代・人形の歴史的展開を中心に-2009

    • 著者名/発表者名
      木立雅朗
    • 雑誌名

      関西考古学研究 土人形が見た近世社会 16

      ページ: 1-8

  • [学会発表] 考古学から見た土人形の出現と展開-偶像・明器・形代・人形の歴史的展開を中心に-2008

    • 著者名/発表者名
      木立雅朗
    • 学会等名
      関西近世考古学研究会
    • 発表場所
      羽衣国際大学
    • 年月日
      2008-12-13

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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