研究概要 |
平成18〜20年度の3年計画の本プロジェクトの2年目について下記の研究を行った 1)超広域自治体についてのインタビュー調査 昨年度に引き続き,政令指定都市の事例として,静岡市,浜松市を選び,本庁および全ての支所(静岡市:3区役所,2支所,浜松市:7区役所,12地域自治センター)を対象として,行政組織のあり方,本庁,支所の権限分担,本庁,支所間の情報共有と合意形成(会議など),地元経済の実情,地元住民の帰属意識などについて,共通の調査用紙に基づくインテンシブなインタビュー調査を行った。そして,超広域自治体の運営に,政令指定都市制度の問題点(区の規模,区制度のあり方)と改善点(権限委譲が必要な拠点)を明らかにした。 政令指定都市以外の事例として,一関市(岩手県),郡上市(岐阜県),対馬市(長崎県)について,本庁と支所について上記の政令指定都市とほぼ同様のインタビュー調査を行った。超広域自治体においてさえ,支所の規摸と権限が次第に縮小される再編成が繰り返し行われ,地域審議会が次第に形骸化している事実が明らかとなった。今後も,支所地域の周辺化がいっそう進展することが懸念される。 これらの成果は平成20年度の学会で発表を予定している。 2)合併市町村(広域自治体)の庁舎位置の評価分析 平成18年度の成果を踏まえて,人口重心,人ロポテンシャルからだけではなく,p-メディアン問題,ハフモデルによる分析を静岡県の事例に適用すべく,先行研究の検討を行った。
|