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2006 年度 実績報告書

GPSテレメトリーによる農業被害多発地域におけるイノシシの生態解明

研究課題

研究課題/領域番号 18520614
研究種目

基盤研究(C)

研究機関奈良大学

研究代表者

高橋 春成  奈良大学, 文学部, 教授 (70144798)

キーワードイノシシ / 農業被害 / GPSテレメトリー / 行動特性 / 耕作放棄地 / 放置竹林
研究概要

本年度は、調査対象地である滋賀県大津市栗原地先において、捕獲した2頭のイノシシ(オス:推定40kg,オス:推定50kg)にGPS装置を取り付けた。1頭は、5月中旬に捕獲し、首輪型のGPS装置が脱落する7.月中旬までのデータを、他の1頭は、9月上旬に捕獲し、翌年1月初めに捕獲されるまでのデータをそれぞれ分析した。
その結果、イネの収穫期前から収穫期頃にかけて(当地では、キヌヒカリという品種が栽培され、9月20日ごろまでに収穫される)、イノシシが放置竹林や耕作放棄地、耕作地周辺の残滓などを選択的に利用していること、収穫後は木の実を求めてアベマキ-コナラ群集などの山林に移動することが判った。今年度の成獣のオスのGPSテレメトリー調査からは、春先からイネの収穫期頃にかけて集落や耕作地周辺の比較的狭い範囲で活動し、収穫後、木の実のシーズンになると山側に広域に移動するイノシシの行動特性が浮かび上がってきた。そこでは、放置された竹林や耕作地、ヒコバエや田畑の残滓などが餌場、潜伏場所、移動経路などになっていることも明らかとなってきた。
滋賀県から隣接の京都・福井にまたがる広域な地域を移動した後者のオスのデータからは、直線距離でも40km以上も移動するオスイノシシの行動が本邦で初めて確認され、イノシシ被害への対応は、広域の地域の連携で行う必要があることも判ってきた。
今年度は、オスの成獣のデータが得られたが、さらにメスや子イノシシのデータも収集し、分析していく必要がある。イノシシの農業被害対策においては、イノシシの生息地管理が重要なポイントになることが判ってきたが、メスや子イノシシのデータを分析することによって、イノシシがどのような環境で出産・子育てをしているのかについても検討していきたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 積雪中山間地域におけるイノシシの行動及び生態学的特性の解明2007

    • 著者名/発表者名
      高橋春成
    • 雑誌名

      農林水産技術会議研究成果報告書 平成18年度

      ページ: 4-7

  • [雑誌論文] イノシシと人間の共生2007

    • 著者名/発表者名
      高橋春成
    • 雑誌名

      月刊みんぱく 31-1

      ページ: 6

  • [雑誌論文] 里中に侵入するイノシシ問題2007

    • 著者名/発表者名
      高橋春成, 増山雄士
    • 雑誌名

      森林環境 2007

      ページ: 27-35

  • [雑誌論文] 今日の地域社会におけるイシノノとのかかわり2006

    • 著者名/発表者名
      高橋春成
    • 雑誌名

      資源人類学 7

      ページ: 16

  • [図書] 人と生き物の地理2006

    • 著者名/発表者名
      高橋春成
    • 出版者
      古今書院

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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