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2007 年度 実績報告書

北部カメルーン・フルベ族社会におけるコピー文化と口承文芸

研究課題

研究課題/領域番号 18520639
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

江口 一久  国立民族学博物館, 名誉教授 (90045261)

キーワード文化人類学 / 民族学 / 外国文学 / フルベ族 / 口承文芸
研究概要

本研究の目的は北部カメルーン・フルベ族社会におけるコピー文化の出現と口承文芸の変貌との関係をさぐることにある。そもそも、従来、口承文芸は聞き手の目的前で、直接、語り手、歌い手が演じるものであった。ところが、録音・録画などのコピーが可能になったあと、口承文芸は実演・実技からはなれて、コピー媒体にのって、一人歩きするようになる。この口承文芸の一部は、ワンバーベといわれる職業的な芸人たちによってささえられてきた。従来、支配皆級、富裕な人たちが、このワンバーベのスポンサーになっていた。ところが、1980年以降、南部出身の大統領が登場し、この従来支配層であった人も、弱体化することになる。そのころから、南部出身者の多くが北部に流入する。この流入者は、都市を中心にはなされている地域共通語としてのコイネー・フルフルデ語をはなすようになる。また、北部の都市を中心とし、フルベ族の若者たちは、日常生活のありとあらゆる場面で、非フルベ族の人たち交渉をもつことになり、自分たちも、こうして、フルベ族の若者層や「フルベ化」した人たちや、外部からの流入者は、コイネー・フルフルデ語がつかわれるカセットやCDに録音された口承文芸の愛好者となる。今回の調査でわかったことは、世の中がかわっても、大衆はコピー文化によって、口承文芸をたのしむことになる。そのおかげで、吟遊詩人や牧人によってうたわれる実演による口承文芸は衰退した。けれども、より音楽性のたかいコピー文化による口承文芸は、今日でも健在である。家庭における昔話などの口承文芸は衰退しつつあるとはいえ、以前とかわりはない。一方、市場には、北部カメルーンのあらゆるところからもたらされる新旧、地域のいりまじったより複雑な録音資料が流通しており、今後の研究がまたれる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 西アフリカの昔話2008

    • 著者名/発表者名
      江ロ 一久
    • 雑誌名

      日本口承文芸学界編『ことばの世界・かたる』 2巻

      ページ: 167-179

  • [雑誌論文] ドゥルンガスおばさんの語りからみえてくるもの2007

    • 著者名/発表者名
      江ロ 一久
    • 雑誌名

      昔話-研究と資料- 35号

      ページ: 37-47

  • [備考] 国立民族学博物館ホームページ

    • URL

      http://www.minpaku.ac.jp/research/sr/18520639.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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