研究課題
特別研究促進費
本年度は、19世紀末から1945年までの、ドイツにおける「宗教学」の制度化の諸相に関する最新の研究状況の把握に努めた。ゲッティンゲン大学宗教史学派資料館によるこれまでの研究成果を再検討すると共に、テユービンゲン大学宗教学研究所等の関連研究施設と密接な連絡を取り、最新の研究動向に関する情報を獲得してきた。本年度は、大学内部及び政治的文脈におけるこの学問の制度化の問題に関して研究代表者がこれまで行ってきた研究を補完・進捗させると共に、新たに、当時の「宗教研究者」の代名詞的存在であった、所謂「宗教史学派」に属する宗教学者・神学者らがその特有の「学問的」(=宗教的)立場から、「宗教」に関する「学問的知」を社会内に普及させるためにとった戦略に着目した。そうした戦略の具体化である事典Die Religion in Geschichte und Gegenwart第一版(1909ff.)の成立事情、とりわけ、その出版元であるJ.C.B.Mohr社(テユービンゲン)の出版戦略等に関するこれまでの研究成果を検討することを通して、本研究課題にとって不可欠である(研究史において未着手の)史資料の所在を突き止めることが目指された。こうして、先述の出版社及び「宗教史学派」の宗教知識普及戦略のもう一つの媒体であるVandenhoeck & Ruprecht社(ゲッティンゲン)の時代診断とそれに基づく出版戦略、そうした時代診断・出版戦略形成に及ぼした「宗教史学派」の影響、当時の宗教関連出版業界の中での両出版社の位置付けを解明するためには、この両出版社資料室所蔵の「宗教史学派」関連書類のみならず、他の宗教関係出版社(例えばシュトットガルトのKohlhammer社)の戦略的動向をも視野に収める必要があることが確認された。
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The Study of Religion under the Impact of National Socialist and Fascist Ideologies in Europe, Leiden : Brill. (Horst Junginger (ed.)) (in print)
キリスト教学 第48号
ページ: 181-202
宗教を語りなおす-近代的カテゴリーの再考(磯前順一、タラル・アサド編)(みすず書房)
ページ: 51-84
宗教研究 第351号
ページ: 81-82
現代宗教2006(国際宗教研究所編)(東京堂出版)
ページ: 76-98