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2006 年度 実績報告書

性同一性障害と法的対応に関する日欧比較研究-家族関係の視点から

研究課題

研究課題/領域番号 18530006
研究種目

基盤研究(C)

研究機関新潟大学

研究代表者

田巻 帝子  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助手 (80251784)

キーワード性同一性障害 / 性別特例法 / Gender Recognition Act 2004 / 性の変更 / 子なし要件 / 性別適合手術 / 親子関係の秩序 / 日本:英国
研究概要

1.性同一性障害の当事者に対して性の変更を認める、日本の性別特例法と英国のGender Recognition Act 2004の立法の経緯と立法内容について、文献調査を行った。その結果、特に日本の特例法のスピード立法までの経緯や背景に関して(特に、どのようにして各要件が定められたのか)、文献だけでは読み取れない部分が大きいと判断し、実際に立法編集作業に携わった参議院法制局の担当者と面談し、聞き取り調査を行った。
2.中間報告としてそれまでの調査研究をまとめ、日本家族<社会と法>学会第23回学術大会において、「性同一性障害に関する法の日英比較一家族関係を視点として」と題した口頭発表を行った。その要旨は次のとおりである。特例法とGRA2004との比較において顕著なのは、いわゆる「子なし要件」と「要性別適合手術の要件」の二要件は日本法にしか見られない。そのため、日本の当事者が性同一性障害を理由に性の変更を申請するには、一段と厳しい条件となっている。その要件の有無について、英国と日本の違いを分析してみたところ、性同一性障害そのものに対する認識・理解、当事者をめぐる諸問題に対する歴史や社会的・法的取り組みに大きなギャップがあること、また、日本が「子なし要件」を設ける上で想定している「家族関係秩序の崩壊」は、英国では個々人の問題としてとらえられているために、想定されていないことと結論付けることができた。
3.さらに、英国ならびにオランダにおいて、当事者や家族法の専門家らと個別に面談し、各国における性同一性障害をめぐる法や当事者の実態などの聞き取り調査を実施した。その結果、両国ともに社会的・法的認知に関する理解が進んでいること、それに伴って法を整備してきたこと(特にオランダ)、また、当事者間で必ずしも統一した見解や要望を有しているのではないことなど、文献では得られない情報も得ることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 性同一性障害に関する法の日英比較-家族関係を視点として2007

    • 著者名/発表者名
      田巻帝子
    • 雑誌名

      家族<社会と法> 23(印刷中)

  • [図書] プロブレムQ&A パートナーシップ・生活と制度[結婚、事実婚、同性婚]2007

    • 著者名/発表者名
      杉浦郁子, 野宮亜紀, 大江千束編著
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      緑風出版

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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