本研究では、(1)ADR運用プラクティスの構築にみる法の浸透と変容、(2)北米モデルの異なる文化的・法環境的背景のもとでの浸透と変容、(3)構築されたADRプラクティスの我が国における実践的有効性、という三つの課題を、ADR促進法の施行前・施行後を通じたADR制度と運用の変容過程を実証的に明らかにした。研修では北米型を強調しつつも、実際の事案運用の中では、法や専門判断を適宜、組み込むことで現状に即した運用がなされている半面、そこで生じる規範的課題やリスクについての検討は今後の課題となっている状況であることも判明した。
|