個人情報がライアビリティ・ルールによって保護されるべきか、それとも、プロパティ・ルールによることが、より効率的で賢明であるのか、という論点について、阪本昌成が「名誉・プライバシー」只野=阪口編『憲法事典』(青林書院、2009=近刊)において論じられる。 また、プライバシー保護または個人情報保護のためには、(ア)「不法行為プライバシー/情報プライバシー」の区別のもとで、(イ)後者について情報主体による管理可能性を付与するにあたっては、著作権的な理論構成を参考にして、個人情報を財産権の対象と考えられないか、を検討しつつ、(イ)自由な情報流通という社会的効用を考えたときには、情報に対して排他的な管理可能性を与えないという選択が賢明ではないか、といった論争に遭遇する。この点を阪本昌成「個人情報の管理可能性序説」として、松井=大石他編集代表『佐藤幸治先生古希記念 現代国家と法の支配』(成文堂、2009=近刊)において論ずるだろう。 また、小島は、著作権法の観点から、情報取引問題に取り組み、その際、著作権と表現の自由との対立調整のあり方について分析中である。
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