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2007 年度 実績報告書

企業の組織的意思決定により生じる犯罪と個人の刑事責任

研究課題

研究課題/領域番号 18530049
研究機関岡山大学

研究代表者

神例 康博  岡山大学, 大学院・法務研究科, 教授 (40289335)

キーワード企業犯罪 / 企業の意思決定 / 責任帰属 / 法人処罰
研究概要

平成19度は,昨年度の主たる研究課題であった企業コンプライアンス体制の確立における企業トップの役割と責任について補充的に研究を進めるとともに,主として,(1)所謂「管理・監督過失」をめぐる帰責問題,(2)薬害エイズ事件などで問題となった欠陥製造物の回収をめぐる帰責問題などを中心に,個人の刑事責任が問題となる事案において,わが国の裁判例が,組織体構成員とりわけ企業トップの刑事責任をどのように論じてきたかを検討した。あわせて,この領域におけるわが国の先行業績について文献研究を行った。これらの検討を通して,企業の組織的意思決定により生じる犯罪について,企業トップを中心に,個々の組織体構成員に刑事責任を問う際に生じる理論学的諸問題について理解を深めるとともに,検討すべき諸問題について示唆を得ることができた。
また,本年度は,ドイツに渡航し,研究テーマに関するドイツの状況について理解を深めた。マンハイム大学ローター・クーレン教授のもとで調査研究を行ったが,「皮革スプレー事件」判決の意義とりわけ連邦最高裁が示した所謂「組織関係的考察方法」の意義とその後の経営者の刑事責任論の展開について教授と集中的に議論することができ,非常に有益な示唆を得ることができた。併せて,マンハイム大学図書館において,文献調査・収集を行った。ドイツにおいても,企業犯罪に対する規制システムは,基本的には個人に対する規制を基礎に構成されている。法人処罰を認めるわが国とこれを認めないドイツの法制の違いにも留意しつつ,さらに研究を深めたい(なお,平成18年度に実施された企業犯罪に関する早稲田大学と内閣府との共同研究においてドイツ法制を担当したが,その成果を,甲斐克則・田口守一編『企業活動と刑事規制の国際動向』(信山社・近刊)に公表予定である)。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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