(1) 本研究の目的 本研究は、継続中の保険契約に適用される保険約款の内容を変更する根拠、変更要件、変更内容の規制、および変更手続の実効性の確保について研究することを目的とするものである。 (2) 本研究において明らかにされること 本研究においては、既契約の継続維持のために必要不可欠な約款変更の具体例、給付と反対給付との均衡性維持を考慮した場合の約款変更要件、適正な内容変更に必要な手段、変更の迅速性が求められる根拠、現行法の限界、および立法の必要性が明らかにされることになる。 (3) 本研究の特色 本研究は、内容規制を受けた保険約款を迅速かつ適正に変更する必要性を研究するものであり、支払事由に関する保険約款の変更を通して、保険料の引き上げを回避するしくみを探求するものであり、またドイツ法との比較法研究を通して実効性の確保を検討するものであり、さらには消費者団体訴訟に保険約款の一部無効の場合や立法による保険約款の変更への対応が考察されるものであることにその特色がある。
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