研究課題
田村は、総論に関して、政策形成過程のバイアスに留意しながらガバナンス構造を変化させるとともに、バイアスを矯正する方向の法制度を志向するという昨年度までに到達した知財の方法論を軸に、正義論、法解釈方法論を組み合わせた、多元的な法学方法論にそれを発展させることを試みた。あわせて自己の知財に関する総論やデジタル時代の著作権に関するその応用の可能性について、国際シンポジウムの場で発表した。各論では、田村は均等論に関してプロセス志向で、判断機関の役割分担という観点から特許の保護範囲を論じるという新しいアプローチを採用し、出願人(弁理士)、特許庁、裁判所の効率的な分配という観点に立脚する場合には、何十万件とある出願のなかで均等が問題となる事例はごくわずかであることに鑑みると、全ての面で完全な明細書を要求することは資源配分の問題として非効率的ではあり、発明者は通常自己の発明は理解しているが、第三者がそれをどのように応用するのかということを予測するのは困難であることに鑑みると、解決原理は明細書で開示する必要はあるが、クレームを完全に仕上げる必要はなく、均等論は裁判所においてこれを補完する原理であるという新たな理論を提唱し、消尽理論や間接侵害に関する最近の成果とともに学会での発表を行った。小島は、フェア・ユースを立法から司法への判断権限の移譲と捉える本研究の方法論の実践を試みるために、著作権の制限規定に関する国際法制の研究を進めるとともに、デジタル環境下の情報取引に関して著作権法、特にその制限規定と契約との関係を探求し、その間、田上は、効率性を重視する先進国型の知的財産法を主として念頭に置く本研究の方法論の妥当する領域を限界づけるために、中国や台湾等に関する伝統的知識遺伝資源の保護の現状を探った。
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