研究概要 |
EU憲法条約の制定過程およびその内容を,憲法学的,政治学的視点から研究することをねらいとする。そのため,当プロジェクトは,北米・大陸・イングランドをそれぞれ比較法の対象とする憲法研究者3名と,EU法研究者1名,国際政治学研究者1名の5人の参加者をもってEU憲法条約を多角的視点から検討することを特徴としている。 このプロジェクトは2年の計画であり,1年目には,4名がヨーロッパ出張を行った。それぞれは,あえて行き先を異にすることによって,各国・各地域からみたEU憲法条約を分析することにした。さらに,学外のEU法研究者を招聘しての研究会の機会ももった。 2年目の予定としては,研究代表者を含む2名が,前年度の出張者からの報告を受け,その補充的調査ならびに,変動するEU情勢を把握することを目的としたヨーロッパ出張を行うこととしている。 本プロジェクトはこのように,ヨーロッパへの出張によって,直接現地の研究者,関係機関とのコンタクトをとることによる成果をはかることを主眼とする一方,文献収集も同時に行う。 これらの成果は別に示されたように,すでに公表されているものもある。EU憲法条約の進展自体,EU圏全体ならびに各国の政治・経済・社会情勢に大きく影響を受けるため,一定の期間を区切ることは困難ではあるが,この2年のプロジェクト終了後,一冊の書物にまとめる予定である。そこにでは,本研究参加者5名は当然のことながら,国内外の研究者,実務家の寄稿も求める予定であり,ヨーロッパ出張は,そのための準備も兼ねている。
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