研究概要 |
政治状況に左右されがちな欧州(EU)憲法条約を,理論的な観点からとらえることを目的とした。その手法としては,(1)文献収集,(2)海外(ヨーロッパ)出張,(3)研究会,(4)研究成果刊行を基本とした。 憲法学,EU法学,比較政治学と,あえてそれぞれ専攻を異にする研究者から構成された一つのグループが,同一の主題を捉えることによって,独自性のある成果をもたらすことを求めた。そのため,あえて統一的な研究手法をとらないながらも,そのプロセスにおいては,必要な文献収集を本科研費で行うと同時にしかし,代表者(平成18年と平成19年度)および各分担者(平成18年度か平成19年度のいずれか)は全員,ヨーロッパに出張し,研究者,政治家等とのインタビューないし資料収集を行うことは共通目標とした。その際には,代表者・分担者が数度の研究会・報告会・打ち合わせ会をもち,情報の共有と交換を行った。 他方,本年度は,3度の研究会をもうけ,スペイン,ドイツの研究者によるレクチャーならびに質疑応答を行い議論をする機会をもった。 代表者と分担者はそれぞれの研究成果をとりわけ上記ヨーロッパ出張の成果をふまえて個別の論文の形で仕上げることにしている。現時点で,すでにしていくつかの論文が代表者および分担者によって発表されているが,これらと,上記,研究会での報告者に寄稿を求め,それを翻訳したものを加えた形での書籍出版を計画している。これをもって,18年度-19年度にわたった本研究の一応の完成を見ることになる。
|