研究課題
本年度は、昨年度に引き続き文献資料を収集し、日本および中国における現地調査を行いながら、そこから得たデーターを検討して本研究を最終的に完成させていく準備作業を行った。具体的には、以下のようなことを実施した。第一、生前の原正市を知る関係者を訪ね歩き、彼らの記憶のなかの原正市についてインタビューを行い、文字資料の不足を補った。取材対象は、とくに技術指導を受けた中国側の関係者に焦点をあて、黒竜江省海倫県を調査した。海倫県は原が最初に畑苗技術を中国大陸で指導した地域であり、6ヵ月間住み込んで指導した東太村の所在県である。そこを訪ね、村長や当時の指導員たちと長時間にわたる面談を行い、数々の貴重な証言を得た。ただ、海南島には、当初申請した科研費の7割しか交付されなかったために資金が不足し、本年度は割愛せざるを得ず、またの機会を待って完成させたい。第二、これまでの調査で集めたデーターに基づいて、国際的な視野から原正市氏の遺した40冊にのぼる作業日誌の意味を丹念に検討した。そのために広く関係する文献を収集した。なお、共同研究者の石田教授は、引き続きヨーロッパにおける市民運動・歴史認識について資料を収集し、とりわけイタリアと日本の戦時における文学などに現れた認識をも取りあげ、知識人の戦争認識について分析を行った。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件)
『法学会雑誌』(首都大学東京法学会) 第49巻
ページ: 219-242
『南京事件70周年-国際シンポジウムの記録』(日本評論社)
ページ: 200-211
Tra. Da Marta Petricioli e Paola Redaelli, Italia contemporanea numero 251
ページ: 251-260