• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

寛容の政治理論:多様な価値と文化の共存を可能にする政治秩序および社会規範の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530096
研究機関首都大学東京

研究代表者

大澤 麦  首都大学東京, 社会科学研究科, 教授 (30306378)

キーワード寛容 / 自由主義 / ジョン・ロック / 政教分離 / ピューリタニズム / ピューリタン革命 / 名誉革命 / 共和主義
研究概要

本研究は、異質な価値観・文化を有する個々人および諸集団の「共存」を旨とする「寛容」の理念を歴史的・理論史的に考察し直し、それを現代世界における文化や価値をめぐる対立を克服する新しい政治秩序と、それを基礎づける新しい社会規範の中軸的な理念に改鋳することを目指すものである。「寛容」は西洋キリスト教世界で培われてきた自由主義の政治文化の中で、ひときわ尊重されてきた理念であるが、個人の自巳決定の契機のみを重視する近年の「寛容」研究は、本来、個と共同体との相互連関の中でのみ成り立つはずのその理念を著しく歪曲してしまっている。「寛容」研究には個人や集団の権利ばかりでなく、それらの平和的共存を可能にする社会形成原理の考察が不可避的に伴わなければならないからである。以上のような視角から、平成19年度は主として次の2つの作業を遂行した。
(1)前年度までの研究において検討してきた「寛容」の5つの類型((1)「包括としての寛容」、(2)「下賜としての寛容」、(3)「共同体論的寛容」、(4)「政治的寛容」、(5)「権利としての寛容」)を歴史的・思想史的に精査しながら、それらの特質を緻密に掘り下げた。
(2)自由主義における寛容思想の原型を作った理論家として、ジョン・ロックの寛容論を検討した。その際、17世紀イングランドにおける「良心」という概念を中軸に据えてこれを行い、これによって「良心」が自由と秩序とを架橋する規範概念であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 図書 (1件)

  • [図書] イギリス哲学・思想事典(「寛容」、「レヴェラーズ」、「ジョン・リルバーン」、「リチャード・オーヴァトン」の4項目を執筆した)2007

    • 著者名/発表者名
      日本イギリス哲学会編
    • 総ページ数
      763
    • 出版者
      研究社

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi