今年度は、2007年9月に、ドイツのハレ市、ハイデルベルク市において、自治体議会の議員(緑の党など)及びハレ市の環境政策担当職員に対して、自治体政策と市民参加の事例、市民活動のネットワークに関してインタビュー調査を行った。調査に際して、研究協力者であるG・フォリヤンティ=ヨスト教授(マルティン・ルター大学ハレ・ヴィツテンベルク)、M・シュプロッテ博士(ハイデルベルク大学)と意見交換を行った。 日本において、統一地方選挙と「自治体議会改革フォーラム」の動きを調査し、自治体の再構築のための議会改革の課題を整理し、論文を発表した。三鷹市の基本構想・基本計画つくり、自治体の統合的環境政策や「環境自治体」に関して資料を収集し、その現状について調査を行った。 これまでの成果の中間報告として、第1に、ドイツにおける市民自治体の構想と市民社会(市民活動のネットワーク)の現状とその強化の課題について分析し、第2に、日本における第二次分権改革の課題、市民活動の現状とその強化の課題について分析し、著書『ドイツの市民自治体--市民社会を強くする方法』(ブックレット)を刊行をした。さらに、日本に関しては、9月に早稲田大学で開催(ベルリン日独センター主催、ルター大学ハレ・ヴィツテンベルク、早稲田大学公共政策研究科など共催)された日独シンポ「地方分権の可能性とリスク」において、報告(タイトル「地方政治の活性化--地域政党『生活者ネットワーク』の登場と発展」)を行った。同シンポに参加したJ.ボグミル教授(ルール大学ボッフム)、A.ツィンマー教授(ミュンスター大学)、S.クールマン主任研究員(ポツダム大学)らと、日独の市民自治体や市民活動ネットワークに関して意見交換を行なった。
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