今日、急速に進展しつつあるグローバル化と世界の一体化は、20世紀型の国家の変容を促し新しい国際関係が生み出されようとしている。人の移動も頻繁になり、人種や国籍等に対しても、従来とは異なる視点からの対応が必要になってきている。 本研究が対象とする輸出規制は、国家を基盤として行われ、物の移動のみならず、人の移動にも関わる分野である。しかし、複合人種が増え、○○人という概念が変化していくときまた、移民の増加により出生国と市民権を保持する国とが異なる場合などでは、20世紀型の国家を基盤とした輸出規制の実施は難しくなっていく。 こうした問題関心のもと、本年度には、米国の2000年の国勢調査を分析し、○○人という概念がどのように変化してきているのかを分析し、論文として発表した。また、9.11テロ後の米国の入国管理政策がどのように変わってきているのか、9.11テロ以前と以後、あるいはソ連崩壊以前と以後の連続性と非連続性は何なのかを分析し、口頭で報告した。
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