漸進的な経済改革を「部分自由化」及び「部分民営化」をキーワードとして分析する。漸進的な経済改革の典型例である部分自由化・部分民営化の問題を精査することを通じて、日本の諸改革を評価する。更に移行国等の経済改革の分析に生かすことを可能にする理論的な成果を目指す。 研究は次の3つの部分から構成される。第1に、公企業が存在する混合市場、部分的な規制が存在する規制市場における寡占市場を分析する基礎となる新たな理論モデルを構築し、これらの市場の基本的な特性を明らかにする。第2に日本における部分自由化・部分民営化を検証し、その弊害と、弊害を軽減するための対策を検討する。第3に、実際に取られたスキームを離れ、どのような部分自由化、部分民営化が望ましいのかを分析する。あわせて、(2)(3)の分析に最適な形にモデルを修正していく。
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