漸進的な経済改革を分析した。混合市場において全ての公企業を一挙に民営化するのではなく逐次的に民営化する新しいモデルを構築し、以下の3つの結果を得た。(1)民営化の経済厚生の改善効果は非単調で民営化プログラムの初期には経済厚生を下げる可能性があること、(2)最終的に多くの企業を民営化する大規模なプログラムほど成功しやすいこと、(3)公企業民営化の前に競争環境を整備しないと失敗すること。また国際競争と民営化政策の関係を明らかにするモデルを構築し、製品市場と金融市場の国際化で政策的な含意が全く異なることを明らかにした。部分自由化に関しては、自由化に伴う競争圧力が新エネルギーや原発投資に与える影響を分析し、基本的にマイナスに働かないことを明らかにした。
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