国際社会において戦略的行動を抑止する社会的意志決定手続き

2007 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18530135
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 芹澤 成弘 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90252717)
• キーワード: Strategy-Proofness / Social Choice Function / Respect for Unanimity / Same Sideness / Non-bossiness / Uniform Rule / Symmetry / Multidimensional Sigle-Peakedness

研究概要

社会の意志決定手続きは、実現可能な選択肢に関する社会構成員の選好や態度を表明させ、それらを集約するもの、と一般的には捉えることができますが、国際社会における決定手続きも同様です。本研究では、社会の決定手続きを、社会の構成員の選好プロファイルの集合から選択肢の集合への関数として、数学的に定式化し、Social Choice Functions(社会的選択関数)と呼んでいます。
本年度は、複数の財が存在し、人々がMultidimensional Single-Peakedな選好をもつ割り当てモデルにおけるSocial Choice Functionsを特に研究しました。財が一つしかない割り当てモデルにおいて、Strategy-Proofness(戦略的選好表明を抑止するための条件)、Pareto-efficiency(効率的に財が配分されるための条件)とSymmetry(人々を対称的に扱うという平等性の条件)を満たすSocial Choice Functionは、Uniform RuleだけであることがChing(1994)によって証明されています。この結果を、財が複数ある場合に拡張し、Strategy-Proofness、(Pareto-efficiencyの必要条件である)Same Sideness、SymmetryとNon-Bossinessを満たすSocial Choice Functionは、Uniform Ruleだけであること証明しました。