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2008 年度 実績報告書

時間選好率の経済分析:決定因とマクロ経済含意

研究課題

研究課題/領域番号 18530137
研究機関大阪大学

研究代表者

池田 新介  大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70184421)

キーワード時間選好率 / 時間割引 / BMI / 肥満 / 双曲割引 / 符号効果 / 危険回避度 / 習慣
研究概要

交付申請書「研究の目的」にあるように、平成20年度は、時間割引率の決定要因とその経済含意を理論と実証の両面から分析した。とりわけ、実証的に広く観察される冨・時間割引率間の負相関の経済含意については、マクロ動学的な観点から理論的な研究を行い、論文Hirose and Ikeda(2008)(「研究発表」欄参照)にまとめた。実証研究については、「研究実施計画」に従って、時間割引率およびそのアノマリー(双曲割引、符号効果)と、肥満度やBMIなどの体格形成について分析を行った(大阪大学ISERDP No.732)。この研究では、時間割引のレベルによって表される人々のせっかち度(degree of impatience)だけではなく、双曲割引による後回し傾向や符号効果といった時間割引の特性(アノマリー)が人々の体格差を説明することを初めて明らかにした。また「計画」(2)にしたがって、危険回避度と時間選好率の相関を説明できる理論モデルを考案し、その含意をマクロ動学と実証の両方の観点から明らかにした。サーベイデータや経済実験を用いた実証研究では、推定される時間選好率が回答者や被験者の危険回避度と相関をもつことがしばしば報告されている。本研究では、こうした傾向を説明するために、選択者の選好に確率的なゆらぎがあるモデルを考え、そうした消費選好の内部に存する「内部リスク」を割り引くパラメターとして時間選好率を内生的に導出した。その結果、危険回避によって誘発された時間選好率が経済成長などのマクロ経済問題や危険回避度と富の実証的な関係にも大きなインプリケーションをもつことも明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Habit formation in an interdependent world economy2009

    • 著者名/発表者名
      Gombi, Ichiro Ikeda, Shinsuke
    • 雑誌名

      Macroeconomic Dynamics (近刊)(発行予定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Export-and import-Secific habit formation2009

    • 著者名/発表者名
      Ikeda, Shinsuke
    • 雑誌名

      Review of Development Economics (近刊)(発行予定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On decreasing marginal impatience2008

    • 著者名/発表者名
      Hirose, Ken-Ichi, Ikeda, Shinsuke
    • 雑誌名

      Japanese Economic Review 59

      ページ: 259-274

    • 査読あり
  • [学会発表] Fat debtors : Time discounting, its anomalies, and bodymass index2008

    • 著者名/発表者名
      池田新介
    • 学会等名
      行動経済学会
    • 発表場所
      学術総合センター
    • 年月日
      2008-12-20
  • [備考]

    • URL

      http://w3iser.iser.osaka-u.ac.jp/~ikeda/top_jap.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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