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2006 年度 実績報告書

リスクの経済学の成立と発展に関する思想的・学説史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530145
研究種目

基盤研究(C)

研究機関滋賀大学

研究代表者

酒井 泰弘  滋賀大学, 経済学部, 特任教授 (40093760)

キーワードリスク / 経済思想 / 経済学説
研究概要

本研究課題は「リスクの経済学の成立と発展に関する思想的・学説史的研究」である。「リスクと不確実性の経済学」が学問として市民権を得たのは比較的最近の1980年代のことであるが、その期限は非常に古く18世紀のアダム・スミスの時代にまで遡ることが可能である。このような「古くて新しい学問」の成立の発展の歴史について、その背景となる社会基盤事情に関係づけて体系的に解明することは、非常に意味のある仕事である。
本研究プロジェクトの実施期間は、平成18年度〜20年度にわたる3年間である。平成18年度はその初年度にあたり、リスクの経済学の「始動期」に活躍した学者の思想と社会的基盤事情について、体系的・学際的な研究活動を実施することに努めた。この点を具体的に述べると、次の通りである。
(1)「経済学の父」として有名なアダム・スミス(1723-1790)は、実のところ、リスクの経済学の開拓者の一人と見倣される。アダム・スミスのリスク研究を体系的に調べるために、John Cunningham Wood (ed.) Adam Smith : Critical Assessments, Vol. I-IV, Routledge, London & New York, 1984など、英文の基本文献1セットを購入した。また、他の二人の開拓者として、スミスと同時代のダニエル・ベルヌーイ(1700-1782)とカンティロン(1680-1734)を取り上げ、そのリスク思想と時代背景を解明することができた。
(2)本研究活動のためには、膨大な文献複写・整理作業が必要であった。この作業を円滑に進めるために、複数の短期雇用者を常時雇用した。
(3)数々の学会・研究会・・ワークショップに積極的に参加し、意見交換を行なうことが出来た。とりわけ、京都大学財政学研究会シンポジウムでの招待講演「公共政策と情報」(平成18年8月29日)、関西学院大学経済学部セミナーでの招待講演「リスクの経済学--現状と展望」(平成18年11月29日)、名古屋大学経済学部地域経済学ワークショップ「リスクの経済学について--学説と背景」(平成18年12月24日)は、研究上非常に有意義な会合であった。
以上を総括すると、平成18年度には、3年間に及ぶ本研究課題を推進するための第一年度として、意義ある諸々の研究・調査活動を進めることができた。平成19年度以降においては、この研究成果の上に、リスクの経済思想・背景事情について、一層の研究推進を図る予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 21世紀の日本社会のあり方とリスクへの備え2007

    • 著者名/発表者名
      酒井泰弘
    • 雑誌名

      彦根論叢 (滋賀大学経済学会) 364号

      ページ: 73-96

  • [雑誌論文] 環境保険の持つ社会的役割2006

    • 著者名/発表者名
      酒井泰弘, 八頭司彰久
    • 雑誌名

      地域学論集 (日本地域学会) 21巻3号

      ページ: 71-82

  • [雑誌論文] 社会経済的リスクの分析とマネジメント2006

    • 著者名/発表者名
      酒井泰弘
    • 雑誌名

      リスク学事典 (阪急コミュニケーションズ) 改訂版

      ページ: 182-188

  • [雑誌論文] 不確実な資産の管理と選択2006

    • 著者名/発表者名
      酒井泰弘
    • 雑誌名

      リスク学事典 (阪急コミュニケーションズ) 改訂版

      ページ: 192-195

  • [雑誌論文] ゲーム理論と戦略リスク2006

    • 著者名/発表者名
      酒井泰弘
    • 雑誌名

      リスク学辞典 (阪急コミュニケーションズ) 改訂版

      ページ: 196-199

  • [図書] リスク社会を見る目2006

    • 著者名/発表者名
      酒井泰弘
    • 総ページ数
      223
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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