研究課題/領域番号 |
18530146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
千賀 重義 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 教授 (20036057)
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研究分担者 |
渡會 勝義 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80097196)
竹永 進 大東文化大学, 経済学部, 教授 (00119538)
佐藤 滋正 尾道大学, 経済情報学部, 教授 (90162429)
水田 健 東日本国際大学, 経済情報学部, 教授 (80275651)
諸泉 俊介 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (00210203)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 経済学史 / 日本経済思想史 / 国際比較研究 / リカードウ |
研究概要 |
本研究の目的は、日本のリカードウ研究史を、西欧におけるリカードウ研究史との比較の中で、また日本における他の古典学派との研究史との比較のなかで考察し、その特質を解明することにあった。 上記の目的を達成するため、各研究分担者は統一テーマを念頭にそれぞれの専門分野で調査研に携わった。またリカードウ研究会と合同で4回の研究会を、また独自にまる一日の研究会を関催した。研究会には、中村廣治広島大学名誉教授、C.マルタンパリ大学教授、P.L.ポルタミラノ大学教授、塩沢由典京都大学を招いて研究報告をいただき、また分担者全員が報告の機会をもち意見交換を重ねた。さらに、日本に膝けるリカードウ研究の先達である杉本俊朗横浜国立大学名誉教授、羽鳥卓也岡山大学名誉教授には長時間のインタビュウに応じていただいた。 これらの研究を通じて明らかになった日本のリカードウ研究の特質は次のようなことである。1.究対象としてのリカードウ文献とリカードウの論理にできる限り内在しようとする手続きをとっていることである。この点は、いまだにリカードウ文献の翻訳さえ完了していないフランスとも、リカードウのうちに自己の理論を読み込んだスラッファをもつイタリアと比べるとき、際立った特色となる。またこの研究スタイルは、むしろ戦前よりも戦後に強まっていることが注目される。2.マルクスのリカードウ解釈を、それに賛成するか反対するかを別として、強く意識した業績が、日本のリカードウ研究の主流を形成してきた。この点は、戦前から戦後において変わらないが、戦後の研究では、イデオロギー的な裁断を避けようとする姿勢が強まっているという特色がある。今後、日本のリカードウ研究が、スラッフィアンと新古典派の間で論争がある欧米型に近づくのかどうかが注目される。
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