• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

フランス的経済統治の研究-世紀転換期における市場・政府・「社会経済」-

研究課題

研究課題/領域番号 18530148
研究機関東京女子大学

研究代表者

栗田 啓子  東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80170083)

キーワード経済理論 / 思想史 / フランス / 少子化 / 住宅政策 / 企業内福祉 / アソシエーション
研究概要

本年度は、資料収集作業を継続するとともに、これまで個別に検討してきた論点を総合し、世紀転換期という時代の中に「社会経済」の思想と実践を的確に位置づけることを目標とした。
<資料収集>
昨年度実現できなかったフランスでの資料収集を夏期休業中に実施した。とくにシェイソンが企業内福祉を実践したLe Creusot製鋼所では、企業主のSchneiderの「社会経済」の理念が強くシェイソンに影響を及ぼした点を確認することができた。また、この海外出張中にパリ第一大学のAnnie Cot教授と意見交換をし、ジッドの協同組合思想の理解について、有意義な示唆を得ることができた。
<研究内容>
1)理論面からのアプローチに関しては、ワルラス、シェイソン、ジッド3者の「社会経済」概念の比較研究を継続し、政府と市場をつなぐものとして、多様な形態のアソシエーションが「社会経済」の思想の中核を占めることを明らかにした。この論点は現代の中間組織の議論とかさなり、「社会経済」の思想の現代的意義を考える上で重要な論点になりうる。この課題は本研究期間終了後も継続する予定である。
2)昨年度までの研究の結果、それぞれの経済学者における当時の主流派である古典派経済学との距離感の違いがそれぞれの「社会経済学」の内容の相違を生み出していることが判明した。今年度はこの知見に基づき、彼らが「社会経済」の立場から、どのように古典派経済学を総括したのか、を検討した。この論点は「社会経済」の理論的特徴を明らかにする意味を持つと考えている。この研究の成果のシェイソンに関連する部分はすでに2カ所で報告した。ジッドに関連する部分は、「ジッド=リストの『経済学史』-世紀転換期における経済学観の変容」と題して、2010年5月22~23日に富山大学で開催される経済学史学会大会で報告する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 19世紀フランスの土木エンジニアー公共の利益と経済計算-2010

    • 著者名/発表者名
      栗田啓子
    • 雑誌名

      SHIGA建設 No.49

      ページ: 5-14

  • [学会発表] 19世紀末フランスにおける「社会経済」の思想と実践2009

    • 著者名/発表者名
      栗田啓子
    • 学会等名
      一橋大学社会科学古典資料センター主催「西洋社会科学古典資料講習会」
    • 発表場所
      一橋大学
    • 年月日
      2009-11-11
  • [学会発表] 公共事業と経済学-19世紀フランスの土木エンジニアと費用・便益分析-2009

    • 著者名/発表者名
      栗田啓子
    • 学会等名
      社団法人プレストレストコンクリート技術協会第18回シンポジウム
    • 発表場所
      米子コンベンションセンター
    • 年月日
      2009-10-29
  • [学会発表] 19世紀末フランスにおけるマルサス主義、新マルサス主義、反マルサス主義2009

    • 著者名/発表者名
      栗田啓子
    • 学会等名
      経済学史学会第73回全国大会
    • 発表場所
      慶応義塾大学
    • 年月日
      2009-05-31
  • [学会発表] 19世紀フランスの土木エンジニアー公共の利益と経済計算-2009

    • 著者名/発表者名
      栗田啓子
    • 学会等名
      平成21年度滋賀県土木交通部技術関係職員・建設技術協会研修会
    • 発表場所
      滋賀県庁
    • 年月日
      2009-05-01

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi