(1)東アジア地域経済統合 2007年度には、7月に国際アジア共同体学会と中国社会科学院日本研究所共催の北京会議「東アジア共同体の共通制度を創る」に参加した。「東アジアでのエネルギー安全保障を考える」と題する発表をしたが、エネルギー安全保障面では省エネ協力(環境対策にもつながりうる)に期待が寄せられることが明らかになった。2008年1月には、グローバル・フォーラム、東アジア共同体評議会、米国パシフィック・フォーラムCSlSの三者共催による、第2回「日米アジア対話:東アジア共同体と米国」と題する日・米・アジアの三角対話に出席した。両会議に関連する投稿を、グローバル・フォーラムの政策掲示板『議論百出』に行い、情報・意見の交換を進めた。 (2)日本の国際経済学史 9月に、パリ第1大学主催の国際会議「知識としての一般均衡」において、「日本人の一般均衡理論研究への貢献」と題する発表を行った。会議全体の議論の中では、一般均衡理諭を貿易論に導入した1960年代の諸研究、また、各国の国内マクロ経済と貿易を接合してエネルギー消費量を予想する一般均衡モデルを作成した1970年代の諸研究、そしてその基礎となったいわゆる根岸定理の意義にも光があてられた。国際軽済学者の赤松要氏(1896-1974)について、6月に日本経済思想史研究会で発表し、2月に評伝として刊行した。ドイツの哲学と経済学の潮流を学んだ赤松氏と、英語圏の経済学者とのつながりの強い根岸隆氏の国際経済学についての比較する研究を進め、英文草稿としてまとめた。
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