研究課題
本年度は、動学モデルへの拡張、シミュレーション研究、応用研究としての実証分析、製品品質や属性評価を消費者のブランド選択行動から推測する研究、さらに研究の総括を行った。具体的には下記のとおりである。1. 動学モデルの発展と内生性問題の処理潜在変数として効用関数を仮定した場合は、消費者の効用に慣性(inertia)が働くとするのが一般的であり、効用に時間的な要因を入れる動学モデルへの拡張として、セールスプロモーションへの期待変数を入れた動学モデルを提案した。同時に内生性問題を含むモデリングの一般化を図った。2. モデリングの統計的性質の比較シミュレーション研究提案する非線形動学モデリングの統計的性質を様々な状況下でのシミュレーション研究によって調べ、その有効性と前提条件の検討を行い、提案したモデルが従来のモデルよりも優れている点を総括した。3. 経済・経営分野のパネルデータへの適用と各種実証分析提案した非線形動学モデリングを実際の経済・経営のマイクロデータに適用し、実証分析によってモデルの有効性を検証した。4. 消費者学習理論を取り込んだ異質離散選択モデルの開発研究製品の品質など消費者にとって不確実性の伴う説明変数を効用関数の中に取り込む研究を行い、さらに広告の露出や製品の購入使用経験が品質に対する不確実性を減少させる消費者学習(consumer learning)過程を消費者異質性を取り入れた枠組みで展開するモデルとMCMCのアルゴリズムを与え、今後展開すべき研究の方向性を確認した。5. 研究の総括3年間の研究を理論的側面、実証的側面の両方から総括した。
すべて 2008
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Quantitative Marketing and Economics 6
ページ: 415-438
Discussion Paper TM&ARG, Graduate School of Economics and Management. Tohoku U 85
ページ: 1-26