研究概要 |
本研究は、統計学の視点から会計学の実証研究の現状を把握し、そこで使用されている統計手法の適切性を評価し、必要な統計手法の開発を行い、さらにその手法を企業会計情報に適用し日本企業の実証研究を遂行する。具体的には、(i)統計学の視点から会計学の実証研究の現状を把握し、(ii)そこで使用されている統計手法の適切性の評価と必要な統計手法の開発を行い、(iii)その統計手法を企業会計情報に適用し、次の三つの課題:[a]無形資産価値の大きさを決定する要因;[b]新規株式公開時におけるインサイダーによる利益操作の検証;[c]社外取締役と機関投資家が企業経営者の利益予想行為に与える影響、について日本企業の実証研究を行う。 2年間プロジェクトの第2年度である平成19年度は、三つの実証研究課題[a]、[b]および[c]に関して以下の研究を遂行した。(ア)主要な会計学専門誌Accounting Review (AR), Journal of Accounting Research (JAR), Journal of Accounting and Economics (JAE), Journal of Accounting, Auditing and Finance (JAAF)に掲載された上記課題に関連する論文を中心に文献調査を行った。(イ)課題[a]、[b]、[c]について、アメリカ企業および日本企業の実態を把握するために資料収集調査を行った。これらの作業を基に、日本企業の実証研究に適する会計モデルと仮説を作成し、それを統計モデルに定式化し、研究成果、実証分析に必要な統計手法を検討した。(ウ)研究成果の一部は、以下に掲載された論文に公表されている。その外に、(1)Miyakoshi, T., Tsukuda, Y. and Shimada, J. "Market Efficiency, Asymmetric Price Adjustment and over-Evaluation: Linking Investor Behaviors to EGASRCH", DP07-30, OSIPP, Osaka University. (2007) (2)Miyakoshi, T., and Tsukuda, Y." Public Expenditure Composition and Economic Growth: Optimal Adjustment by Using Gradient Method" DP07-17, OSIPP, Osaka University (2007). (3)Tsukuda, Y. and Miyakoshi, T. "An Econometric Analysis of Fiscal Policy Budget Constraints in Endogenous Growth Models", DP 232, Tohoku University, (2008).を執筆した。
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