研究概要 |
18年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)フレキシブルなトランスログ生産関数に基づくパネル分析 第1に、Kim(1992)のフレキシブルなトランスログ生産関数を推定するために、日本標準産業分類4桁の集積と共集積の値と日本標準産業分類4桁の生産量、従業員、民間資本ストック、原材料を含む中間財、各種デフレーター等のデータ・ベースを作成するとともに、集積と共集積指数計測マニュアルを作成した。第2に、Kim(1992)のフレキシブルなトランスログ生産関数とコストシェアの推定式を同時に、Zellnerの「見かけ上無相関な回帰」(SUR)で推定した。第3に、集積の経済が存在するのかどうか、規模の経済が存在するのかを検定するとともに弾力性を計算し、集積の経済の外部経済効果を分析した。その分析結果として、製造業全体では、集積の経済の外部経済効果が存在することが明らかになった。 (2)現地調査と地域産業連関・CGEモデル分析 輸送機械等の豊田地域、食品産業等の銚子・野田地域、機械・金属等の柏域等の現地調査を行うとともに、地域産業連関分析を行い、産業集積のメカニズムを明らかにした。以上のように、18年度は、我が国製造業における集積の経済の外部経済効果の実証分析を行うとともに、現地調査を行い産業集積の現状を総合的に把握した。 (3)研究成果は,日本地域学会,日本経済学会、応用地域学会、環太平洋地域学会(PRESCO)、北米地域学会(NARSC)などで発表した。
|