19年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)集積の経済のパネル分析 第1に、生産関数のパネル分析を行うために、平成16・17・18年度に計測した日本標準産業分類2・3桁の集積と共集積指数の計測値を改定するとともに、日本標準産業分類2・3桁の生産量、従業員、民間資本ストック、原材料を含む中間財、各種デフレーター等のデータ・ベースを作成した。第2に生産関数のパネルデータ分析を行った。第3に、集積の経済が存在するかどうか、規模の経済が存在するかを検定し、「集積の経済」の経済効果を分析した。 (2)現地調査と地域産業連関・CGEモデル分析 繊維・電気産業等の桐生・太田地域、輸送機械等の豊田地域、食品産業等の銚子・野田地域、機械・金属等の柏地域の現地調査を行うとともに、地域産業連関分析を行い、産業集積のメカニズムを明らかにした。以上のように、19年度は、我が国製造業における集積の経済の外部経済効果の実証分析を行うとともに、現地調査を行い産業集積の現状を総合的に把握した。 (3)研究成果は、日本地域学会、日本経済学会、応要地学会、環太平洋地域学会(PRESCO)、北米地域学会(NARSC)などで発表した。
|