日本の輸出の既に6割近くは資本財輸出になっているが、部品を含む日本の資本財輸出入は高付加価値なものが多く、資本財輸出の40%近く、同輸入の70%以上は航空輸送を用いた貿易になっている。本研究では、日本の貿易相手国別・品目別の貿易指数データベースの開発実績を基礎とし、資本財貿易における航空輸送の進展が機械産業の国際競争力(生産性)や産業立地にどのような影響を与えるのかについて実証的な分析を行う。そのため、平成18年度は、研究代表者が中心となり、既に開発したソフトウェアを用いて2005年分の日本の貿易指数データベースを作成した。また、このソフトウェアを空輸による貿易のデータを分析可能なように改定作業を行った。こうした改定ソフトウェアを用いることで空輸による資本財貿易に関わる数量指数、価格指数、金額が算出可能となった。データベースはとりあえずデータが取得可能な1988〜2005年とした。 これによって、これまでほとんど着目されてこなかった資本財貿易と航空輸送との関連に関する定量的な分析を行う基礎的な条件が整った。2007年度には、今年度開発した日本の貿易相手国別・品目別の空輸貿易指数データベースを利用することによって、日本の資本財貿易と輸送手段に関しての実証的な分析を行う予定である。 また、2006年5月にカナダで開催されたthe Canadian Economics Association Meetingに出席し、本研究に関する海外の関連研究者と意見交換を行った。
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