研究概要 |
本研究では、日本の貿易相手国別・品目別の貿易指数データベースの開発実績を基礎とし、資本財貿易における航空輸送の進展が機械産業の国際競争力(生産性)や産業立地にどのような影響を与えるのかについて実証的な分析を行った。研究代表者が中心となり、開発したソフトウェアを用いて2007年分の日本の貿易指数データベースを作成した。データベースはHSコードでのデータが取得可能な1988〜2007年であり、これを用いることで空輸による資本財貿易に関わる数量指数、価格指数、金額が算出可能となった。 これによって、これまでほとんど着目されてこなかった資本財貿易と航空輸送との関連に関する定量的な分析を行った。品目別の航空貨物への依存度を見ると、資本財、特に電気・電子機器での航空貨物への輸出入の依存度は、近年70%近くに達している。単位重量当り単価との関係では、輸出入ともに1kg当り単価が500円以下では海上コンテナ貨物等がほとんどだが、単価が含30,000円を超えると逆にほとんどが航空貨物による輸送となるなど、両者の関係には緩い相関関係があるが、これを定量的に把握した。こうした研究成果の一部は、平成20年度め通商白書にも図表と共に引用されている。 また、2008年6月にカナダで開催されたthe Canadian Economics Association Meetingに出席し、本研究に関する海外の関連研究者と意見交換を行った。
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