研究概要 |
本研究では,地域の文化活動(地域の創造的,精神文化からの発露が大きい)と地域の経済活動との関係を地域活性化という観点から想起し,文化面から見た地域活性化の可能性を探り,地域政策の提言を行う.そのため,全国における文化・民俗等の文化資源(活動)を把握し,それが経済的な観点から活性化に繋がっている地域やこれからの可能性がある地域等に着目し,地域に息づく古来の歴史・文化・民俗,さらには新規な創造行為として精神活動の発露である文化活動を発見し,それが当該地域での経済的な活性化につながるとの仮説を検証する.以上の目的を達成するため,19年度は具体的には,下記の研究を行った. 18年度に行った調査内容と作業方針の確定を受け,(1)地域の精神文化による地域づくりへの取組みに関するヒアリング調査◎地域づくりの主体となる組織や情報の発信主体となる組織等を抽出し,これまでの取組み実態や地域の精神文化を活用した地域づくりのあり方,地域住民への発信方法,経済発展・地域開発などへ関するヒアリング調査を実施した. (作業方針) i.発信主体の抽出 抽出した歴史・文化・民俗資源及び地域精神が地域の経済発展に結びつくとの仮定の下,地域住民への文化活動発信主体となりうる団体等の抽出と分析を行った.そのため,まず都道府県の関係ある部局(合計289カ所)に配布し,精神文化を活用した地域づくりの活動(団体)を把握した.回収率は、62.3%である.その結果,1,284の活動が挙がってきたが,それを取り組み手法(複数回容で,2,275),テーマ(同:2,119),住民への伝授内容(同:1,010)に分類した.特に伝授内容として,「教材,刊行物,HP等の書籍」がもっとも多く,序で「調査研究」,「能,歌舞伎等の伝統的な実演芸術」が多かった.
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