研究概要 |
ライセンシングを通じた技術移転をモデルに組み込み,模倣活動を明示的に考慮したモデルの解析を二神と祝迫が大学院生の田中仁史氏と共同で行い完了した.この結果,ライセンシングを通じた技術移転に焦点を当てた場合,発展途上国における知的所有権の保護強化は,発展途上国への技術移転を促進し,先進国での研究開発も促進するという結果を得た.この結果を論文"Innovation, Licensing, and Imitation : The Effects of Intellectual Property Rights Protection and Industrial Policy,"にまとめて,平成18年度日本経済学会春季大会(福島大学),ETSG(European Trade Study Group)のコンファレンス(ウィーン大学),岡山大学の研究会,および関西社会経済研究所主催の「現代経済政策研究会議」で報告した.現在,この論文は海外の雑誌に投稿して審査中である. またこの研究の基礎部分であるライセンシングを通じた技術移転モデルを構築した論文"Dynamic Analysis of Innovation and International Transfer of Technology Through Licensing,"がJournal of International Economicsへの掲載が決定したことも本年度の研究成果である. さらに,ライセンシングではなく直接投資を通じた技術移転を考慮したモデルの構築し,安定性の分析を行い安定的で経済的に意味のある近郊が存在することを証明した.
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