研究課題
基盤研究(C)
本年度は、研究の目的である「中国の経済発展の理論モデルを通じて、中国の経済構造・貿易構造の変化を理論的に捉える」と「CGEモデルを使用して、東アジアにおけるFTAが東アジアの貿易関係にどのような影響を与えるかを数量的に捉える」に対応して、大別して次の2つの研究を行った。1.中国の経済発展の理論モデルを構築し、そのモデルを通じて中国・ASEANのFTA、日本・ASEANのFTAを理論的に捉えながら、東アジア共同体の枠組みを検討した。中国沿岸部の先進地域と内陸部の後進地域の格差を明示的にしたモデルを構築し、経済発展に伴って、先進地域・後進地域それぞれの資本・労働比率に基づき、労働集約的産業、資本集約的産業、及び技術集約的産業の特化・分業パターンが決まるといったシナリオを示した。また、中国と日本の貿易政策として、東アジア共同体に対する、ASEAN+3とASEAN+3+3の枠組みの違いとその戦略的な意義について検討した。2.CGE(計算可能一般均衡)モデルによって、東アジアの経済統合の進展を数量的に把握した。その場合、EUの経済統合の拡大と比較検討することで、理論の一般化を目指した。既存の動学的CGEモデルを改良・修正した動学的CGEモデル(中国の特色を考慮できるように拡張)を使って、東アジアを中心にした貿易・直接投資の結合を数量的に捉えた。これらの研究は中国、韓国、日本におけるコンファレンスなどで報告し意見交換を行い、論文としてまとめている。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
Kobe Economics & Business Review No.51
ページ: 1-9
世界経済評論 Vol.51 No.1
ページ: 30-34
世界経済評論 Vol.50 No.9
ページ: 6-11
国民経済雑誌 第193巻第5号
ページ: 13-25
International Economic Integration and Asia (eds. by M. G. Plummer and E. Jones), World Scientific, London
ページ: 213-241