平成19年度においては、東北タイのスリン県稲研究所、ジャルーンプートポン精米所、さらに、ローイエット県のガセートウィサイ農業協同組合やトゥングラーローンハイ土地開発センター等において、1960年代以降の東北タイにおけるジャスミン・ライスの栽培や精米の発展についての資料調査・収集や聞き取りをおこなった。また、バンコク及び中部タイにおいて、タイ政府商業省、農業・協同組合省、スパンブリ県商業事務所、スパンブリ県ドーンジェーディー農業協同組合で、2000年以降政府が栽培奨励をしている新種の香り米、パトムタニ1という米の栽培・精米・輸出に関する統計資料類の調査収集をおこない、聞き取り調査もおこなった。また、ジャスミン・ライスを輸出するタイを代表する米輸出業者、バンスー・チアメン社やキャピタル・ライス社(タイ語名はナコン・ルアン社)などの発展及び現状について関係資料の調査・収集と聞き取り調査をおこなった。さらに、タイのジャスミン・ライスを香港に輸入し、独自のブランドで香港および中国南部に販売している香港の米業界最大手の金源国際米業公司が、タイ国内に精米所を設立し、米の調達を独自のルートで行っている。同社のタイ法人シリパッタナー精米所を訪問し、聞き取り調査を行い、資料を調査・収集した。 日本国内でおこなった資料調査・収集として重要な点は、世界的な精米機械・米調整設備メーカーである広島県東広島市の(株)サタケを訪問し、資料調査と収集を行った点にある。1970年代後半以降の同社のタイ進出、特に、タイにおける精米機械設備の販売の経緯およびタイにおける精米技術・米調整技術の発展について、同社の技術責任者の方々に対して、聞き取りを行い、資料調査・収集を行った。
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