本研究の成果は次の三点に整理しうる。(1)タイ農業・貿易統計等により、1980年代以降、ジャスミン・ライスの生産・輸出経済が急速な発展したことを明らかにした。(2)産地として有名な東北タイの「トゥングラー・ローン・ハイ」地域におけるジャスミン・ライスの栽培と精米業が、タイ政府の地域開発計画(道路、灌漑等)の実施や海外の需要に刺激されて、1980年代以降急速に発展したことを明らかにした。(3)海外市場の重要性、特に、1970年代以降、香港においてジャスミン・ライスに対する需要が拡大したこと、さらに2000年代以降、経済成長に伴い、中国広東省を中心に、その需要が急拡大したことと、米の不正混入問題等を指摘した。
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