平成19年度では、ブロードバンド産業を中心に、情報通信産業の競争政策の実証研究を進めました。 ブロードバンド・インターネット接続サービス、なかんずくFTTHサービスの普及拡大に伴い、地方と都市部のデジタルデバイドが社会的問題となっている。デジタルデバイドには大別して、高速インターネットへの物理的アクセスから見たデジタルデバイド問題、サービス利用から見たデジタルデバイド問題がある。本論文では、特に後者に着目し、サービス利用のデジタルデバイドが量的側面、質的側面から存在するかどうかを検討する。その結果、FTTHを活用した公共サービスへの支払意思額を計測すると、地方と都市部で大差がないことが判った。しかしながら、地方ではもっぱら地上デジタル放送の光ファイバ経由の送信への期待が強いのに対して、都市部では在宅勤務、遠隔教育など社会・生活面での期待も大きいことが判った。
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