研究課題
基盤研究(C)
本研究は開発途上国の雇用と貧困削減に関する内外の最新の研究成果を整理し、貧困層の雇用創出を通じた貧困削減を実施している途上国の事例研究及び現地調査を行うことにより、貧困削減に資する雇用創出プログラムが、実際のどの程度貧困削減に寄与しているのかを検証することを目的としている。平成18年度にはニカラグアを現地訪問した。19年度はニカラグアとの比較対象のため、インドを現地調査した。当初はインドネシアを計画していたが、諸般の事情により変更したものである。ニカラグアでは、ソーシャル・ファンド(社会基金)に焦点をあてて、その雇用創出効果を論じた。また、インドでは国家レベルのマクロ政策の中で、成長と貧困をどのように位置づけられているのか、第11次5カ年計画(2007〜2012年度)に焦点を当てて現地調査を実施した。従来、開発経済学あるいは公共経済学・厚生経済学の分野では「成長」と「貧困削減」の因果関係について論じられてきたものの、これが「雇用」と関連付けて論じられてきたことはあまりなかった。本研究では雇用という古くて新しい政策課題に光を当てることで、成長・貧困に関する議論に理論的な貢献を行うことができると考えている。さらに、家計・個人・地域レベルのミクロ的な貧困分析と、国・国際レベルのマクロ的な貧困分析の連携・融合を図る試みはこれまであまり行われてこなかったので本研究によりその側面に焦点を当てる意義も少なくない。
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A Possibility, of Income Generations (Chapter 6, "Social Fund") (Iwanamishoten)
Waseda Global Forum No 3
ページ: 1-25
Waseda Global Forum No. 3