平成19年度(第二年目)においては、引き続き、資料収集と訪問調査を中心に、研究計画を推進している。まず、日米英3国の移民政策(出入国管理政策)と外国人労働者の受け入れに関する資料(法規/書籍/論文)、3ヵ国における外国人労働雇用に関する統計データ・資料、およびOECD30ヵ国における学歴別外国出身者に関するデータをさらに収集した。また、各国の企業レベルの国際的人材戦略と実態を把握するために、日本国内600社(上場企業300社、非上場企業300社)を対象に実施したアンケート調査の分析を進めるとともに、中国に進出した日米英系多国籍企業を対象とする現地調査を行った。さらに、東京圏や関西・九州の一部の地方自治体の関連部局・外資系企業の集積地域を訪問し、外国人専門技術者の受け入れ現状・問題点・政策課題について、地方の実務担当者らと意見交換を行った。 資料・データ収集と企業調査を行ったと同時に、労働力移動のメカニズムとその経済影響、および経済発展における人的資本の役割などに関するいくつかの論文を日本国内外(名古屋大学、北京大学、復旦大学)で開催された国際学会・シンポジュームで発表した。そのうち、2つの論文(英文論文1つ、日本語論文1つ)は日本国内の雑誌(『経済科学』、『東アジアへの視点』)に掲載された。もう一つ日本語論文は、国際東アジア研究センターのワーキングペーパーとして刊行された。なお、ほかの1つの英文論文は、本の一章として、イギリスの有力出版社(Palgrave Macmillan)に出版される予定。
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