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2008 年度 実績報告書

グローバル化時代の専門人材獲得競争戦略とその政策効果:日米英の比較

研究課題

研究課題/領域番号 18530223
研究機関(財)国際東アジア研究センター

研究代表者

戴 二彪  財団法人国際東アジア研究センター, 研究部, 主任研究員 (20300840)

キーワードグローバル化 / 専門人材 / 外国人労働力 / 国際競争 / 戦略 / 日米英 / 政策 / 効果
研究概要

本研究は、グローバル化時代における人材競争の国家戦略のあり方を探るものである。平成20年度(第三年目)においては、主に統計データと現地調査に基づいて三ヵ国のそれぞれの戦略・政策の効果を比較・分析した。主な結論は次の通りである。
1)米国は世界最大の専門人材純移入国であり、規模(量)だけでなく人材の質と多様性についても他国の追随を許していない。世界中の優秀人材が米国に集中する背景には、移民国家としての伝統(機会平等・多文化共存な社会環境)、1990年代以降実施された専門人材選好の移民政策、世界最高水準の大学院教育と魅力の高い留学サボートシステム、などの要因が挙げられる。
2)英国は、自国出身の専門人材の流出大国でもあるが、近年、留学生や外国専門人材の受人促進政策を実施している。特に、留学生の受入は、英国の外交政策と経済活動の支援者を育成する、という国家戦略のもとで強く推進された結果、2005年に同国の高等教育機関に在籍する学生に占める留学生の比率は24.9%に上昇し、米国の約5.5%と日本の約3.3%を大きく上回っている。政府戦略のほか、国際共通語としての英語の重要性が増えていることも重要な一因である。
3)日本は、主に留学生の受入を通じて、外国専門人材の受入を徐々に拡大している。外国人材の活用は、日本企業の海外進出事業などに大きく貢献した。しかし、非移民国家としての社会環境や言語環境の制限で、日本における外国人専門人材の規模は主要先進国の中では最小にとどまり、その出身地域構成も東アジアに偏っている。質を重視する留学生受入戦略の策定と外国人が定住・起業しやすい環境の構築によって人材の専門性の高度化と多様性を促進することは、日本の課題である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 藤田昌久監修『産業クラスターと地域経営戦略』(「中国における産業立地の空間分布と日系企業」を共同執筆)2009

    • 著者名/発表者名
      坂本博, 佐野浩, 戴二彪
    • 雑誌名

      多賀出版

      ページ: 79-105

  • [雑誌論文] "Alternative Estimates of TFP Growth in China : Evidence from Application of the Dual Approach," in N. Islam ed., RESURGENT CHINA : ISSUES FOR THE FUTURE2009

    • 著者名/発表者名
      Islam, N., Erbiao Dai
    • 雑誌名

      Palgrave Macmillan

      ページ: 289-331

  • [雑誌論文] ナズール・イスラム/小島麗逸編『中国の再興と抱える課題』(第5章「所得と消費における格差の再検討」を共同執筆)2009

    • 著者名/発表者名
      Ramstetter, D. Eric, 戴二彪, 坂本博
    • 雑誌名

      勁草書房

      ページ: 121-153

  • [雑誌論文] OECD諸国における中国新移民の地理分布と規定要因2008

    • 著者名/発表者名
      戴二彪
    • 雑誌名

      ICSEAD Working Paper Series 2007-29

      ページ: 1-21

  • [雑誌論文] 薛・荒山・園田編『中国の不平等』(第7章「雇用差別と所得不平等」を執筆)2008

    • 著者名/発表者名
      戴二彪
    • 雑誌名

      日本評論社

      ページ: 99-111

  • [雑誌論文] 中国に進出している多国籍企業における華人系経営者・技術者の役割-マイクロソフトの例-2008

    • 著者名/発表者名
      戴二彪
    • 雑誌名

      ICSEAD Working Paper Series 2007-30

      ページ: 1-18

  • [備考]

    • URL

      http://www.icsead.or.jp/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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