研究課題/領域番号 |
18530240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
森 徹 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (60134160)
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研究分担者 |
稲垣 秀夫 四日市大学, 経済学部, 教授 (70159937)
鎌田 繁則 名城大学, 都市情報学部, 教授 (70214509)
赤木 博文 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (30254270)
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キーワード | 地方交付税制度 / 地域間財政力格差是正 / 経済厚生 / 地方財政基金制度 / 実験経済学 |
研究概要 |
本研究に関し、平成18年度中に行った研究内容は次の通りである。 (1)地方交付税制度の地域間財政力格差是正効果の計測に係るデータの収集 『国税庁統計年報書』所収の都道府県別国税徴収額データを電子データとして入力し、標記の効果計測のための基礎データを整備した。 (2)地方交付税制度および「地方財政調整基金制度」の経済厚生効果計測のための方法の確立 伊多波教授らの先行研究を参考として、地域住民の効用最大化行動から、地方交付税制度や「地方財政調整基金制度」の存在が、地域住民およびその総体としての国民全体の経済厚生に及ぼす効果の計測方法を、図解と簡単な微分積分法によって導くことができることを明らかにした。 (3)「地方財政調整基金制度」の性能に関する意志決定実験システムの設計と試行実験の実施 研究分担者の鎌田の着想に基づき、Windows XPの共有ファイル機能を利用した完全にクローズドな無線LAN実験システムを構築し、自治体の首長ないしは財政当局者に擬した8名および11名の学部学生を被験者とする、「地方財政調整基金制度」下での基金への拠出金決定実験を試行した。これらの試行実験を通じて、共有ファイル(エクセルファイル)の作成方法に関して改善すべき点や、10名以上の被験者(クライアント・コンピュータ)を含む無線LANシステムを構築するにはサーバーソフトや専用のサーバーマシンが必要となるごとが分かり、より多数の被験者を対象とする本格実験のためのシステム設計上の問題点が明らかとなった。 以上のように、平成18年度には、本研究の基礎をなす作業を3点にわたって進め、方法の確立や問題点の摘出に一定の成果を上げたが、地域間財政力格差是正効果や厚生効果の計測あるいは、「地方財政調整基金制度」の性能の検証には至らず、学術論文の公表という形での成果報告は行っていない。
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