研究課題
基盤研究(C)
本研究では「経済発展と金融制度」と「グローバリゼーションと政治経済制度」の問題を相互に関連づけながら進めている。また研究代表者は早稲田大学21世紀COEプログラム『開かれた政治経済制度の構築』の拠点リーダーとして参加しており、本研究をCOEプログラムの研究と絡めかつ平行して行っている。2006年度においては以下のような研究活動を行ってきた。(1)経済発展との関連でインフォーマルな金融制度の役割を不完全市場また不完全情報の視点から分析してきた。一つは、大学院生和島隆典氏との共同研究として、Rotating Saving and Credit Association(ROSCA)について理論的かつ歴史的分析を行ってきた。その研究成果は「ROSCAの経済理論:概観と若干の考察」Waseda 21 COE-GLOPE Discussion Paper(2007年1月)としてまとめられている。この論文はポスト・ケインジアン研究会でも発表し、多くの意見交換を行った。もう一つの研究は、グループ貸付制度などマイクロクレジット市場での資金配分の問題に関するものであるが、これは大学院生松田慎一氏と共同で行っている。(2)「グローバリゼーションと政治経済制度」に関しては、2005年末にCOE-GLOPEで行ったコンファレンスで発表された論文を中心に、地域統合に関する研究を整理しかつ将来を展望した研究書『地域統合の政治経済学』を清水和巳氏と共同で編集した。(3)本研究については、2007年1月にはPitzer CollegeのLinus Yamane教授、また3月にはYale大学でのコンファレンスにおいてColumbia UniversityのDavid Weinstein教授など海外の研究者とも意見を交換する機会を得た。
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Waseda 21 COE-GLOPE Discussion Paper
新しい政治経済学の構築へ向けて・地域統合の政治経済学(藪下, 清水編著) 3
ページ: 1-8
The Waseda Journal pf Political Science and Economics 363
ページ: 2-6