1940年代後半から1960年代にとりくまれた生活改善運動は、それまでの「くらし」を新しい「生活」に創り変えようとするものであった。今までまとまって検討されることがなかった戦後の生活改善運動について、本研究では、次の3点から基礎的実証的研究を重ねる。 (1) 生活改善運動は生活の単なる技術的改善ではなく、家族の経営・世帯・生活・ジェンダーの全体にかかわっていたのであり、家族生活の変化全体を究明する。 (2) 生活改善運動は、農村と都市で異なっており、農村では農民家族の女性が、都市では主婦と中小企業の青年労働者が担い手に位置づけられた。農村と都市の比較史的考察を行う。 (3) 生活改善運動には政府・各省が加わっており、政策の分析を行う。
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