研究概要 |
2008年4月より半年間、ドイツ連邦共和国マンハイム大学で研究に従事する機会を得た。客員研究員として在籍したMZES(Manheimer Zentrum fur Europaische Sozialforschung)およびZUMA(Zentrum fur Umfragen, Methoden und Analyse)はドイツにおける社会移動研究の中心的拠点であり、ここでの研究交流・資料収集をふまえつつ、19世紀以降のドイツにおける社会移動の推移に関する研究を行った。その成果は、「ドイツにおける社会移動の長期的推移と階層構造」と題する論文にまとめ、『社会システム研究』(立命館大学)誌上に公刊予定である。また、日独両国で戦後進められた職務評価(Arbeitsbewertung)導入の試みを切り口にして、両国の労使関係の比較分析を行った。その成果は、上記2つの研究所でそれぞれ開催されたコロキウムで報告の上、"Industrielle Beziehungen und Arbeitsbewertung unter dem "Wirtschaftswunder"in Deutschland und Japan"と題する論文にまとめ、ドイツの学会誌に投稿した(現在採否決定待ち)。滞独中、「第二次大戦後ドイツにおける地域開発と地方自治」という新たなテーマが本研究との関わりで浮かんできた。バーデン・ヴュルテンベルク州中央文書館(シュトゥットガルト)には上のテーマに関連する文書が膨大にあり、複写によってこれを収集した。 9月の帰国後は、上に記した研究成果の仕上げを行うとともに、「地域開発と地方自治」に関する文献・資料を読み進めた。
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