研究課題
本年度は、アカデミック・アントレプレナーによる事業創造メカニズムを説明する上で重要となる理論的なフレームワークの構築を行うとともに、アカデミック・アントレプレナーの役割および行動の類型化と比較を目的とした尺度の開発並びにサーベイ調査を実施した。まず、理論的なフレームワークとして正統化活動に注目した上で、「正統化の射程」という概念を導入し、事業化フェーズの進展やステイクホールダーとの関係性の変化にともなう戦略転換の必要性ならびにその困難さについて、事例研究を用いながら検討した。この成果は、論文として執筆するとともに、International Council for Small Businessにおいて報告した。次に、役割と行動類型に関しては、リーダーシップ、管理者行動、企業家活動およびアントレプレナーシップ・オリエンテーションなどの次元を整理した尺度を活用し、アカデミック・アントレプレナー(大学発等ベンチャーに関係する研究者)、ベンチャーの経営者、一流の研究者の間での比較を行った。また、パートナーシップという観点から、大学等発ベンチャーに関係するアカデミック・アントレプレナーの活動が経営パートナーとの間で、どのように分業・補完されているのかについても検討した。本研究では、こうした検証を通して、アカデミック・アントレプレナーによる事業創造活動の可能性とその課題を指摘している。
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Working Paper, Institute of Economic Research, Kagawa University 127
ページ: 1-14.
Working Paper, Institute of Economic Research, Kagawa University 124
ページ: 1-27