19年度は、18年度に収集した資料・インタビュー等のデジタル化を進めながら、(1)沖縄における高度知財人材の育成に向けたe-learningプログラムの可能性、(2)知財化の可能な沖縄の地域資源、及び(3)沖縄の伝統芸能・文化を中心としたコンテンツ開発と知財化に関する調査研究を行った。とりわけ、コンテンツによる地域イノベーションの先進事例の調査を行なった。海外調査としては、亜熱帯・海洋資源に関する国際的評価の高い研究が実施されている、オーストラリア(シドニー、ゴールドコースト)の大学と世界銀行シドニーオフィスを視察し、知的財産ならびに観光資源、環太平洋地域におけるe-learningの展開に関する調査・意見交換を行なった。あわせて国内の最新動向を把握するために、前年度同様、産学官連携推進会議、日本知財学会、CEATEC JAPAN、沖縄産学官連携フォーラム、イノベーション沖縄等、関連会議やシンポジウムに参加し、視察・意見交換を行った他、アジアでの産学官連携の中核となることが期待されている福岡ビジネス創造センターの視察を行ない、担当者・九州大学知的財産本部職員との意見交換を行なった。また、知的財産分野の最新の文献並びに調査資料の継続的な収集を行い、概念の体系化、学説の検討、ならびに調査結果の比較検討を行なった。さらに、国内のMOT(Management of Technology)コースや知的財産に関わる高度な人材育成プログラムを調査し、同分野でのe-learningの可能性を探った。これらは、本研究の主な目的である、沖縄の地域特性を活かした知的財産マネジメント、知的財産による地域イノベーション及び高度人材育成プログラムに関する政策的提言をまとめるにあたって、基礎的なデータ・資料として活用できる。
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