研究概要 |
本年度はフランチャイジングのシステム的発展がどのようにジーの多様化に繋がっていったかを分析するために個人ジーとポートフォリオ企業家、シリアル企業の成長・発展の関係を調査・分析した。 対象としたのはFCの発展と共に成長したジー、個人ジーの法人化、複合化へ発展したもの、多角化事業として位置づけた経営者に分類して調査を行った。FCの発展とともに成長したジーへの調査として石油販売業者、シリアル企業家として地域をサービスドミナントとして発展させるのにフランチャイジングを活用する帯広のメガフランチャイザーの調査を行った。 次にフランチャイジングの創業機能について名古屋地区の大手カレーFC創業者へのヒアリングを行ったほか、ラーメンチェーンなどを調査した。ヒアリング調査では,主として,創業時における創業者の考え方や経営課題の克服,チェーン展開における経営課題の克服,現在の経営課題について,有益な情報を多く得ることができた。これらについては次年度に論文としてまとめる予定である。 またフランチャイジングの史的研究として、代表的コーラ会社・2社の日本市場参入に関する初期的過程研究、そして両社のフランチャイジングの運営方法さらにフランチャイズ・システムの再構築という動態について検討した。コカ・コーラの場合、日本の実業家(高梨仁三郎)の先見的な導入努力が市場参入のベースとなったが、フランチャイジングの対象として、大企業(例えば、麟麟麦酒、大日本印刷等)の他、地域の中堅企業(例えば、若鶴酒造、亀井商店等)が周到に選定され、フランチャイジーの適材適所化が行われたことが分かった。さらにこの段階のフランチャイジングにおいてはジーの創業機能は基本的に存在しないことを確認した。 またフランチャイズ・システムの創業機能としての観点から,代表者と研究分担者でBirklandの『Franchising Dreams』等の翻訳作業を行い創業機能に関する理論の整理を行っている。
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