研究課題/領域番号 |
18530301
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
小嶌 正稔 東洋大学, 経営学部, 教授 (40215257)
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研究分担者 |
河野 昭三 甲南大学, 経営学部, 教授 (70111333)
村山 貴俊 東北学院大学, 経営学部, 准教授 (20285654)
星野 広和 宮崎産業経営大学, 経営学部, 准教授 (50369162)
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キーワード | フランチャイジング / ビジネスモデル / フランチャイズ組織 / 復元化 / 統制 / 経営革新 |
研究概要 |
本年度は中小企業の経営革新にインパクトを与えたフランチャイジングの史的研究として、フランチャイズ・システムを積極的に活用して展開を成功させたコカ・コーラ社の事例と住宅業界におけるフランチャイジングの活用とコンフリクトを中心に行った。前者は第二次大戦後、合資会社小網商店が経営革新のテコとして、多国籍企業コカ・コーラ社のフランチャイジングを積極的に利用して、東京コカ・コーラボトリング株式会社へと転換・拡大した経緯を歴史的背景のなかで克明にトレースを行ったものであり、後者は住宅産業(スウェーデンハウス社)における北欧式輸入住宅ビジネスの創業から発展にいたる歴史的過程をヒアリング調査に基づき明らかにするとともに、販路構築手段としてのフランチャイジングの活用を研究した。同社では、全国展開の一手段としてFCの利用を一時的に推進したが、住宅の品質確保とフランチャイジーに対する統制における要因間のコンフリクトの要因などから現在では利用が控えられている。 また経営革新の一つであるフランチャイジングについてビジネスモデルの限界に関する側面として、複元化チャネルとしてのフランチャイズ・システムの限界とフランチャイズ組織における品質不祥事が当該フランチャイザーならびに社会全体にもたらす悪影響について考究した。前者は法令の改正によって可能になった新業態の進展が、長い歴史を持つフランチャイズ形態である石油販売において複元化チャネルを可能にしたが、この複元化が中小企業の経営革新にどのような影響を与えたのかを研究したものであり、後者はフランチィズ組織における品質不祥事が当該フランチャイザーならびに社会全体にもたらす悪影響について、菓子チェーン店の不二家による消費期限切れ牛乳を使用したシュークリームの製造販売にみられる企業不祥事をもとに、フランチャイズ組織における品質管理のあり方について考究したものである。
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