研究課題/領域番号 |
18530304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
久保田 敬一 武蔵大学, 経済学部, 教授 (00120858)
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研究分担者 |
徳永 俊史 武蔵大学, 経済学部, 助教授 (30329750)
齋藤 進 上智大学, 経済学部, 教授 (00007808)
竹原 均 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70261782)
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キーワード | 企業価値最大化 / 経営者報酬 / 最適エージェンシー契約 / Tobinのq / 企業リスク / 私的情報 / その他包括利益 / ビジネス・サイクル |
研究概要 |
本年度は研究の初年度であるので、基礎研究としての企業についてのリスク構造を日次データ(久保田=徳永)により識別しておく一方、さらにティックデータを用いた久保田=竹原の既存研究を発展させた。前者は、これを『武蔵大学論集』に公表すると共に、その発展版をさらに英語にし、来年度における国際学会発表のための投稿をすでに済ませた。後者については、資本市場の私的情報を問題とするが、これは竹原が3月に、国際学会Southwestern Finance Associationにて、その成果を発表した。 また、Tobinのq、ビジネス・サイクルと企業の質、また不完全情報下における企業価値最大化のための経営者報酬の最適エージェント契約のデザインについての初期の提案は、久保田=斉藤が、国際学会International Institute of Public Financeにて発表すると同時に、現在本論文は2本の別論文として久保田=斉藤=竹原が再執筆中である。 一方、久保田=竹原は、須田一幸氏との共同研究において、経営者報酬情報および未実現の利益の一部を構成するその他包括利益情報の株価との関連性を調べ、企業パフォーマンス測度とそれを反映しているはずの経営者への報酬が、それぞれ株価に合理的に反映されているかについてBiddle他によるWald検定を用いることにより、統計的有意性を調べた。前者についての成果は久保田=竹原によるAmerican Accounting Associationでの年次大会発表を始め、久保田が国際学会World Congress for Accounting Educator Conferenceで発表し、また共同研究者須田一幸氏により発表(2007年4月,European Accounting Association)される。また後者の経営者報酬情報に関しての、第一次的成果は、日本経営財務研究学会機関紙『経営財務研究』(査読つき)において公表したが、これはさらにデータを精緻化して発展させる予定である。 最後に、久保田=竹原のAmerican Accounting Associationへの出張および経由地での訪問により、久保田は、カーネギーメロン大学井尻教授、グー準教授(ピッツバーグ)、コロンビア大学スンドレスン教授(ニューヨーク)、ハーバードビジネススクールキャップラン教授(ワシントンDC学会中)、との討論を最終的に盛り込んで、単著書『決定版コーポレートファイナンス』を東洋経済新報社から12月に出版した。
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